フランスの主要都市の公園管理や都市緑化整備の実情は、これまで多くの研究機関や財団の視察・調査対象となってきました。


フランスの機関の調査の一般的な方法 としては、

① 現地を視察し、

② 関係省庁・機関と面会してヒヤリング調査し、

③ 情報収集する、


といった経緯をとります。

多くの場合、出張前からヒヤリング調査先に連絡を取り、面会をとりつけます。



調査対象が公共団体の場合に頻発する問題が一つあります。

それは、


「問い合わせ先にメールを送っても返事がこない。。。」


メールを書いたら即日返信がくるのが常識の日本人にとっては、ちょっと戸惑う事態です。

ただ、フランスの日常ではよくあるシチュエーションです。(特に公共機関では。)


また、機関の規模が大きくなればなるほど、連絡は取れたものの機関内のいろんな部署に取り次ぎされる事態に陥ったりもします。

俗に行く


「ザ・たらい回し」


というこの現象。

ここをいかにうまく回避するかが、 ヒヤリング調査をうまく取り付けるための第一関門です。

(と私は思っています。)



この第一関門を回避する有効な方法が、実はあります。

それは、


「その機関に精通している人に紹介してもらう。」


「◯◯さんの紹介でご連絡しました。」

という一文があると、最初の話が格段にスムーズに進みます。



昨年から パリ市の公園や緑地を調査する機会があるのですが、この「問い合わせ問題」にはと大変気をつけています。

なんせフランスの首都の行政機関。ものすごく大きい組織なので、「誰にコンタクトを取るか」が重要なカギをとなります。

私がパリ市関連の調査で毎回ご助力 いただいているのが、この方。



エルベ・ルフォーさん。

パリ市緑地環境局 の管理部に所属されているルフォーさんは、大変献身的に協力してくださいます。

昨年、造園学会で発表するために、パリの街路樹管理について調査した際、ルフォーさんがパリ市直営のアーボリストのチーム長をご紹介くださり、大変有意義な調査をすることができました。

「メールには必ず返事をくれる」

「博識」

「信頼できる」

「造園の日仏交流に大変協力的」

などなど、ルフォーさんの素晴らしさはたくさんあるのですが、私が尊敬してやまない点が一つあります。

それは、

現場スタッフへの思いやりが厚い!


「現場スタッフのために僕がいます。」というスタンスで、お仕事されています。

フランス社会では、まだまだ「土をいじる仕事=ブルーカラーの仕事」という固定概念を持っている人が少なくありません。

フランスの歴史的庭園を管轄する機関の中でさえも、「事務仕事は現場仕事よりも上。」という考えも持ちつつお仕事している方も残念ながらたくさんいらっしゃいます。

(これは私一個人の視点だけではなく、様々なフランス人庭師さんたちの証言によるものです)


「現場第一主義」のルフォーさんは、 アルボリストや庭師など、現場で作業をする直営スタッフをとても尊敬されています。

ちなみにパリ市緑地環境局は以下のような組織体制になっています。

(2014年現在。水真訳)




ルフォーさんが所属する《管理部》の元に、業務を担当する課が約10つの課あります。

そのうち、実際に公園や緑地の管理を直営で行っている以下の5つの課。

・ 庭園管理課

・ 樹木・森課

・ 墓地課

・ 造園(ランドスケープ)・整備課

・ 植物科学・技術課


庭師チームは《庭園管理課》に、アーボリストチームは《樹木・森課》にそれぞれ配属され、

より詳しい組織図は以下の通り。

(水真訳)

作業区画は、区ごとに細分化されています。


ルフォーさんと会うたびに、


「こういう上司が管理部にいてくれると、本当に現場はやりやすいだろうなぁ。」、

としみじみ思います。



先日、久しぶりにルフォーさんに会いに行きました。

今年からご依頼いただいているリュクサンブール公園の調査のヒヤリング、のためです。

有益な情報を頂いた上、 緑地局以外の調査内容(都市計画と観光業関連の内容)ついては、新たなご担当者をご紹介くださるとのこと。



「わーい! 第一関門突破!!」 (by私の心の声)



何から何まで親切で丁寧なルフォーさん。

こういう方がいるから、パリの緑地は、美しく保たれるのだろうと思います。




最後までご高覧いただき、ありがとうございました。