《造園》と聞くと、多くの人は《庭》を連想しますが、
《庭》は、私たちの暮らしに癒しや安らぎ をあたえてくれる空間です。

また、世界観や宗教観を映し出した文化的な空間でもあり、
人が集まり宴を行う憩いの空間でもあります。

《庭》は、人々が交流できる場であり、子供の遊び場であり、
また都市に風格を与える文化遺産の場であることから、
私たちの生活に欠かせない空間なのです。



その中でも、《公園》は 庭とは用途や目的が異なりますが、
一般市民向けに開放された空間であり、都市にいながら自然を感じられる場です。

みんなが暮らしやすい環境をハード面・ソフト面から構想し
実現する仕事、それが《造園》の使命。


フランス語では造園のことを《ペイザージュ(Paysage)》、
《ペイザージュ》は《国を創造する》を意味します。


英語では《ランドスケープ(Landscape)》といい、
日本ではこの用語がすでに広く浸透していますが、
この言葉が表すように、造園の役割は庭園や公園づくりに留まらず、
都市や国土整備といった広域レベルに及びます。


都市レベルではグリーンスペース設置による都市環境の改善、
生物多様性の保全や雨水・水資源の管理のためのグリーンインフラ整備、
名所・名木の保護、災害時の避難場所の整備などがあり、
また国土レベルでは名所・歴史的都市整備、 景観づくり、
観光地の修景緑化整備、広域緑化計画など、大変多岐に渡ります。


また、社会の高齢化や都市の高密度化などライフスタイルの変化に伴い、
市民密着型のまちづくりにおける造園の役割が注目されています。


近年の大型構造マンションの建設ラッシュや引越しの増加に伴い
居住歴の差や世代の差から生じる多くの課題など、
生活様式の多様化から生じる課題を解決するカギのひとつが、
これらの庭園や公園といった公共グリーンスペースです。


また、造園のアートな側面もとても大切です。
フランスでは《造園》は美術の分野にはいり、芸術のひとつと認識されています。

自然素材を用いて自然を舞台に作品をつくる《ランド・アート》も造園のひとつ。

芸術は生活に驚きやひらめきもたらしてくれる、いわばびっくり箱のようなもの。

日々の生活の文化性を知性の要素をもたらしてくれるのも、《造園》なのです。
このように、《造園》は、私たちの生活を豊かにするたくさんの可能性を秘めた分野と言えます。

変化の激しい今日の社会において、自然と人間をつなげ、
人間と人間をつなげる架け橋となりえるのが、《造園》なのです。